お尻を出した子一等賞。
只今、ネギま書き直し中~♪ ネタバレにご注意を。
Entries
真・その名はマコト外伝1(過激な表現があります故観覧には注意を)
ザッザッ。ザッザッ。
辺りは暗くなり始めた18時。箒を手に清々しく汗を拭く青年が一人。
「ふぅ~良い汗かいた」
朝早くからマスターに呼び出されて、なんの用かと思いきや・・・・。
“私達が学校に行ってる間、家を掃除しとけ”
おかしくないか? 俺も学校あるんだけどさ・・・・。
まぁ、良いか・・・・。
“マコト、お前の働きに期待しているぞ”
脳内で再生されたその言葉にマコトは照れくさそうに頬を掻く。
「よっしゃ! これで終わりだな」
とりあえず、茶々丸さんにお茶でも強請りに行こうかな。
中に入ると飄々と話すマスターとその話を神妙な面持ちで聞く木乃香がいた。
なんとなく、此処に居てはいけないような気がしてマコトは静かに二階へと移動する。
「あ、マコトさん。ご苦労様です」
「お、おう・・・・」
ネギはそう爽やかに挨拶をすると軽快に階段を下りていった。
「なんだあれ?」
そこに居た刹那に聞くと、なんでも今朝ネギとアスナさんが喧嘩したらしく。
どうすれば仲直りできるか悩んでいたのだが、今答えを見つけたらしい。
「ふ~ん」
紅茶をすすって机の上に置かれた資料を見る。そこには今朝の喧嘩の発端であるネギとアスナの会話が載っていた。
「マコト様から見てどうですか?」
「ココだろ? “アスナさんは元々僕たちとは関係ないんですから”の部分」
と、指で指し示すマコト。
「「「エ!?」」」
何故か三人同時に声をあげる。
「恐らくネギはアスナさんをコッチの世界に巻き込んだ事に責任を感じてこういう事を言ったんだと思う。が、この言い方だと“お前は無関係な人間だからこれ以上首を突っ込むな”と聞こえるな」
「ソウカ~? パイ○ンジャナイノカ?」
「それも確かに酷いが、この場合アスナさんの事を考えてからこの資料を見た方がわかり易い」
ネギと一緒にいるアスナさんを見ればわかるだろ?
マスターと戦う時も修学旅行の時もいつもネギの隣にはアスナさんが居ただろう?
好きとかそういうのじゃないが、アスナさんの中ではネギは本当の弟のように大切に想ってると思うぞ。
「そんな相手から“お前は関係ない”と言われてみろ相当ショックだぜ。この時アスナさん怒ったっていうより泣いてたんじゃねーか?」
「そ、そそそそう言われればそうですね・・・・」
何故か冷や汗を流しながら俯く刹那。茶々丸は顔を真っ赤にして俯いている。
「ちょ、まさか!? 茶々丸さんも刹那も茶々ゼロと同じ見解だったのか!?」
その時、外からアスナさんの悲鳴とネギの謝罪の言葉が木霊するのだった。
「あーあ、俺はしらねーぞ」
次の日、早朝から携帯が鳴る。
「誰だこんな朝早く」
「長、火砕です」
聞けば緊急の会議があるらしく、早急に来てほしいとのこと。
「え? でもどうすんの? 今から電車乗るのか」
「いえ、学園内の地下にウチの者が居ると思うので詳しくその者に聞いてください」
そう言うと火砕からの電話は切れた。
学園内の地下って・・・・漠然としすぎだろ! こんな広い学園の地下って何処だよ!
しかも掛け直しても出ないし。
「とりあえずジジイに聞いてみるか」
それとなく準備をして扉を開けると男が立っていた。
「うおっ!? ビックリした~」
なんで平然と扉の前に立ってんだよ! ノックするか呼び鈴鳴らせよ!
「部隊長、お迎えにあがりました・・・・」
覇気のない声で男は言う。
「ああ、わかった。ところであんたらはいつもそんな格好をしてるのか?」
その男の格好はどこからどう見ても忍者なのだ。うん。誰がどう見ても忍者だ。
忍者が昼間から玄関に立っている・・・・。シュールな絵だな。
「これは私たち梟の標準装備ですがなにか?」
梟とは一応、烏と同じ斥候部隊の一つと聞いているが・・・・なんでも協会内に数多くある組織を臨検する役割も帯びてるらしい。
「そんな平然と言われたら突っ込めねぇよ。ほら、早く案内してくれそんな格好の奴と一緒に居るところを見られるわけにはいかねーんだよ」
そんな訳で時計塔の地下にやってきました。目の前に広がるは巨大な魔法陣が妖しく、まるで鼓動するように明滅していた。
「へー、此れが長距離用の転移魔法陣か・・・・」
「はい。木乃香お嬢様に何かあった時の為に作らせていただきました」
へー。まぁ、此処にそんな事が起きるとは思えないがな。
「部隊長、どうぞ魔法陣の方へ」
マコトはそのまま魔法陣の真ん中へと移動する。
「一応注意しておきますが、この魔法陣99%安全ですが1%の確立で失敗しますので」
「・・・・え? なにそれ? なんでそんな重要な事をいま平然と言うんだよ!」
「失敗した場合どこに飛ばされるかわかりませんので、その時はがんばってください」
「はぁっ!? がんばれってなんだよ!」
マコトの訴えも聞こえないのか魔法陣が力強く明滅し始める。
「えええええ、がん無視ですか~」
「では、お気をつけて」
「聞けよ! ちょ!? お前えええええええ!?」
光は段々と強くなり、部屋を照らし、ゆっくりと収束すると魔法陣の上には誰も居なかった。
「本当によろしかったのですか? 奥方・・・・」
男は後ろ立つ女性へとそう投げ掛ける。
「いいのよ。それより悪かったわね、梟の貴方にこんなこと頼んで」
「いえ。それよりも・・・・」
「なに? 私の息子の事心配してくれるの?」
「そうではないのですが、“知る”にはいささか早すぎるかと・・・・」
「そう? まぁ、いいじゃない。いずれは誰もが“知る”事だし、遅いか早いかの些細な問題よ」
・・・・。
・・・。
・・。
「・・・・これはまさか!?」
青年の目に映るは淡く光る夜の王、月。そして老朽化したレンガ作りの建物だった。
「転移失敗だったってことかぁあああああああ!!!」
お、おおおお、落ち着け。
転移に失敗したからと言って別に時間旅行をしたわけじゃないんだ。
落ち着いて此処が何処なのかを調べるべきだろう。
「そ、そうだな。まずは情報収集だ。うん、そうしよう」
だいぶ目が慣れてきた。ん? 此処は裏路地なのか?
「洋画でよく見るアメリカの町並みに似てるな」
とりあえず広い道に出てみるか。
「なんだこりゃ、街灯が全部割れて真っ暗だし。おまけに随分と荒廃した町だな」
ゴーストタウンか此処は、いや、でもマンションらしき建物の窓からは光が漏れてるから人は住んでるのか。
瞬間、少し冷たく乾いた空気に軽い破裂音が波紋する。
「ちょっ!? この音ってもしかして・・・・」
いやいやいや、いくらなんでもそれねーよ。
一瞬、マコトの足に何か当たり、心地の良い金属音を上げて転がる何か。
「なんだ?」
マコトはそれを拾い上げ、月明かりを頼りにそれを確認すると手が震え始める。
「こ、ここここ、これは・・・・」
それは小さな金属で出来た円筒形状の物だった。それは人間なら誰しも見たことぐらいはある物だった。
そして更にそれは道のいたる所に落ちていた。大きい物から小さい物まで。
「な、ななな、なんでこんなに薬莢が転がって・・・・」
やややや、やっぱりさっきの音は銃声って事になるな・・・・。
「・・・・ふぅ~。何処だ此処は? 中東か? それともアメリカ?」
中東とかは観光とか出来るレベルじゃないって言うし、アメリカもやばい町は腐る程あるって聞いてるし。
まぁ、どっちにしろヤバイ町に来た事は確かだし身体に魔力は通しとくか。
よく見れば彼方此方に血痕やら弾痕やら・・・・挙句の果ては人の死骸か。
壁に寄り掛かるように死んでいる男の身体から発せられる死臭はむせ返る程だった。
「・・・・こんな町に居たら気が狂いそうだ」
当てもなく歩くこと30分、路地から人の話し声が聞こえてくる。
マコトは素早く話し声が聞こえる場所へ移動する。
そこには金色に輝く長く美しい髪を揺らし、黒地のドレスを着た少女とその娘と対峙するように手にライフルを持った4人の男たちが居た。
「なっ!?」
フランス人形のような少女に4人の大人がライフルを構えるという異常な光景に一瞬マコトの思考が飛ぶ。
な、なにやってんだ俺は!? 此処は異常な町なんだ! あの娘を助けないと!
「なにやってんだよ! この馬鹿者共が!」
男達は突然現れたマコトに破れ、冷たいコンクリートの上に倒れこむ。
「・・・・」
少女は口をだらしなく開け、ポカーンという顔でマコトを見ていた。
「・・・・おーい? 大丈夫か? 聞いてるか?」
マコトはそんな少女に手を振った。
「すごいすごい! お兄さん日本人なのに強いんだね!」
少女はとつぜん覚醒し、マコトの腕に抱きつく。
完璧な日本語。イントネーションもバッチリ、すげーな。
「ん? どうしたの?」
「いや、随分と日本語上手だなって思ってよ」
「フフン。日本人のお客さんから一杯教えてもらったんだぁ~」
少女は少し自慢げに胸を張ると小さく微笑んだ。
「さぁ、行こうよ!」
少女はとつぜんマコトの手を掴み、引っ張っていく。
「おい、ちょっ、何処行く気だよ?」
「え? なに言ってるの? 日本人の人がこの町に居るって事はウチの店に来る以外ないでしょ?」
「店? なんの事だ?」
「もう、お兄さん冗談ばっかり~」
少女は無邪気に笑う、マコトの手を引きながら・・・・。
もし俺に妹がいたらこんな感じなんだろうか?
そして、少女に連れられやってきたのが“CoRRuPt”という電飾が虹色に光る小さな何かの店であった。
「ようこそ新装開店したcorruptへお兄さんが最初のお客様だよ~」
少女はそう言うと両開きの扉を開ける。
次の瞬間にはマコトの思考能力は停止していた・・・・。
「っ!?」
俺ハ今、夢ヲ見テイルノカ・・・・。
頭ノドコカデ誰カガ叫ンデル・・・・。
“――――るな!!”
何故心臓ガコンナニ早ク脈打ツノカ・・・・・。
“――――見るな!!”
何故俺ハ尻餅ヲツイテ後ズサッテイルノカ・・・・。
“――――げろ!!”
何故俺ハコンナニモ恐レテイルノカ・・・・。
“――――逃げろ!”
「っ!?」
マコトは覚醒と同時に胃の中の物を全てぶちまけた。
扉を開けてマコトを包んだのは泥濁しきった空気だった。
吐き気を催す程の死臭。
見渡す店内は血という血で床も天井も真っ赤に染まり、そこに人形のように一列に並んで座っている10人の少女達。
着飾られた年端もいかない少女達、どの娘からも生気は感じない。
その地獄のような店内をまるで舞台のように舞う目の前の少女は無邪気な笑顔を見せてマコトに聞く。
「さぁ、お兄さん。どこ娘でする?」
「・・・・ハァハァ。その娘達はなぜ死んでるんだ?」
マコトは口を拭い、はっきりとした声でそう口にした。
「え? なによ~死んでたらダメなの~? 前に来た人は“穴”さえ開いてれば死体だって構わないって人がいたからこうしたのに~」
少女は腰に手を当て、つまらなそうに頬を膨らました。
「・・・・」
なんなんだこの娘は・・・・なんなんだこの店は! なんなんだこの町は!
ここは本当に俺が住んでる地球なのか?
「お前一体なんなんだよ!!」
月光が照らすだけの寂れた町にマコトの絶叫ともとれる声が木霊する。
「お前なんで平気な顔してそこに居れるんだよ、お前の後ろに並んでるの死体だろ? なのに何で・・・・なんでそんな笑顔でいられるんだよ!!」
「笑う理由なんて一つに決まってるじゃない? 嬉しいからだよ♪ なんたって私はこの町のピーターパンなんだから」
「・・・・」
ねぇ、お兄さん。ピーターパンの住むネバーランドに大人が居ないのは何故か知ってる?
答えは簡単だよピーターパンが大人を殺してるからなんだよ。嘘だと思う? でも本当の事なんだよ。ピーターはねティンカーベルと一緒に平和な世界を作ったんだよ。
「だから私もこの世界から大人を消して平和な世界を作るんだ・・・・」
血塗られた舞台の上で少女は妖しく微笑み、そう宣言した。
青年はいつしか少女から逃げるように走り出していた。文字通り脱兎の如く。
脇目も振らず、ただ目の前の恐怖から自身を護る為に。
・・・・・。
・・・・。
・・・。
「・・・・」
どこをどうやって此処に来たのか自分でもわからねぇ。
青年は人気の無い廃墟で膝を抱えていた。見上げた夜空は黒い雲に覆い隠され、星一つ見えなかった。
「ハハ・・・・」
誰も居ない廃墟に乾いた笑い声が響く。
なんか知らんが、今物凄く木乃香と刹那に会いたくなった。
「マコト」
闇の中からマコトを呼ぶ声が聞こえたが、マコトは驚く事無くゆっくりと顔を上げた。
闇の中から姿を現したのは自分の父親だった。
「親父・・・・」
「マコト、こんなところで何をしてるんだ?」
「・・・・それは俺が聞きてぇよ。親父こそなんで此処に?」
「仕事に決まってるだろ?」
マコトは小さく、そうだったなと答えると大きな溜息をついた。
「・・・・親父、この町は一体なんなんだ?」
「アメリカ某州にある小さな町だ。元々はとあるマフィアが支配していた町だ。今は違うがな・・・・」
そうか・・・・。どうでもいいやそんな事。
「なんか酷く疲れた・・・・」
「どうした? 血の池で踊る妖精でも見たか?」
「・・・・っ!?」
父が言ったその言葉にマコトに脳裏にあの少女が浮かぶ。腰まで長く伸びた髪は砂金を想わせ、更に整った顔立ちでその姿は精巧に出来た人形そのもの。
だが、その瞳には光など一切射す事はない永久の闇を宿した少女。
あの瞳を思い出すだけで言いようのない寒気が全身を覆う・・・・。
「クリス・キサラギ。これが彼女の本名らしい、資料によると日系ブラジル人となっているが実際はわからんのが現状だ」
歳は今年で12歳、6歳の時にこの町に運ばれてきたそうだ。
以後6年間あの店で働いているらしい。
「・・・・」
「まぁ、簡単に言えば6年間変態共の慰みものだったって事だ」
父は平然と言い放った。
「なっ!?」
簡単な話さ、あの娘はなんだかの理由で両親を失った。そしてとある教会に預けられた、そこにこの町のマフィアが神父に儲け話を持ちかけた。
“ここに預けられてる子供達を売ってくれないか”
あろう事か神父は提示された大金に目が眩み、それを承諾した。
結果、あの娘を含む少年少女十数人がこの町に“売られてきた”だけだ。
「っ!? 親父! いいかげんしろよ! 売られてきただけだと? 立派な人身売買じゃねーか!!」
マコトは父に掴みかかる。が、父は顔色一つ変えず“そうだな”と答えた。
「そうだなって・・・・」
「今、この町で大事件が起きてるんだよマコト。今日の時点で死者は600人を超える程のな。マフィアの構成員から始まり、幹部、ボス、警官隊、関係のない民間人まで合わせて600人を超える」
「ちょっと待て・・・・親父。それってもしかして」
「全てあの娘一人の仕業だ」
「・・・・じゃあ、親父の仕事っていうのは!?」
父は何も答えずただそこに立っているだけだった。
「どうやったかは知らんが、少女は魔力による身体強化を実現している。更にこの大事だ、もしこれで少女身体が調べられ、魔法バレに繋がることにもなりえる為、私が派遣された」
「・・・・じゃあ、親父は魔法バレを防ぐ為にあの不憫な娘を殺すのか?」
マコトは項垂れ、囁くように父に問う。
「そうだ」
即答。マコトの問いに父は堂々と答えた。
瞬間、マコトの右拳が飛ぶが、簡単に避けられ目標を見失った拳は壁に穴を開ける。
「・・・・さっきからさも当然の様に答えやがって! ふざけるのもいい加減にしろよ!」
檄するマコトに対し父は面倒臭さそうに頭を掻く。
「正直、あの少女の過去なぞどうでもいい。私はただ魔法バレを未然に防ぐ為にあの娘をさっさと消して次の任務に行くだけだ」
「もうわかった。親父は頭がイッちゃったみたいだな。ここで俺がショック療法で正常に戻してやるよ」
マコトはゆっくりと右手を翳す。
「ならば聞こう。マコト、お前ならどうする?」
親父は極端に考えすぎなんだよ。なにも殺さなくてもいいんだよ!
「あの娘の記憶を消し、保護する」
マコトは凛然と言い放つ。
「確かにそれで少女は今持つ力の事も忘れ、施設で、または里親のところで幸せに暮らす事ができるかも知れない。後はこの事件を情報操作によりなかった事にすれば万事解決。が、一つ問題がある」
「なんだよ」
“あの少女はそれを望まないだろう”
「それは親父が決める事じゃないだろ?」
「なにを言ってる? お前があの娘の夢を聞いたのではないか?」
風鳴りがぴたりと止む。
ジワリと気持ちの悪い汗が滲み出てくるのを感じる。
頭の片隅から少女の声が聞こえてくる。
――――ねぇ、お兄さん。ピーターパンの住むネバーランドに大人が居ないのは何故か知ってる?
――――答えは簡単だよピーターパンが大人を殺してるからなんだよ。
――――ピーターはねティンカーベルと一緒に平和な世界を作ったんだよ。
“だから私もこの世界から大人を消して平和な世界を作るんだ”
赤黒く汚濁する湖の上でスカートの裾を持ち上げ、仰々しく頭を下げる少女の姿が思い浮かんだ。
「ふざけるな! あんなのが夢だっていうのか!」
「どんな内容であろうと誰だって夢を持ち、追う権利はある!」
「なっ!?」
父の言葉にマコトは言葉を失う。
「・・・・だけど。だけどよ。人を殺す事が夢ってのは悲し過ぎるだろ」
項垂れて、僅かに声が上擦るマコト。
「唯一あの娘を救う方法があるとしたら、全てを棄ててあの娘の傍に居てやる事だな」
「全てを?」
「そうだ、お前の場合なら木乃香嬢や刹那の事、実行部隊の事など全て棄て最後の時まであの娘の味方でいてやれ。例えあの娘以外全てを敵にまわそうとな」
どんなことがあろうと、彼女を裏切らず。
どんなことがあろうと、彼女だけを信じ。
どんなことがあろうと、彼女を護る。
その覚悟があるならば私を殺して彼女のところに行ってやれ。
出来ないのであれば、此処で私の帰りを待て。
「さぁ、選択だマコト。お前はどうするんだ?」
「俺は・・・・」
辺りは暗くなり始めた18時。箒を手に清々しく汗を拭く青年が一人。
「ふぅ~良い汗かいた」
朝早くからマスターに呼び出されて、なんの用かと思いきや・・・・。
“私達が学校に行ってる間、家を掃除しとけ”
おかしくないか? 俺も学校あるんだけどさ・・・・。
まぁ、良いか・・・・。
“マコト、お前の働きに期待しているぞ”
脳内で再生されたその言葉にマコトは照れくさそうに頬を掻く。
「よっしゃ! これで終わりだな」
とりあえず、茶々丸さんにお茶でも強請りに行こうかな。
中に入ると飄々と話すマスターとその話を神妙な面持ちで聞く木乃香がいた。
なんとなく、此処に居てはいけないような気がしてマコトは静かに二階へと移動する。
「あ、マコトさん。ご苦労様です」
「お、おう・・・・」
ネギはそう爽やかに挨拶をすると軽快に階段を下りていった。
「なんだあれ?」
そこに居た刹那に聞くと、なんでも今朝ネギとアスナさんが喧嘩したらしく。
どうすれば仲直りできるか悩んでいたのだが、今答えを見つけたらしい。
「ふ~ん」
紅茶をすすって机の上に置かれた資料を見る。そこには今朝の喧嘩の発端であるネギとアスナの会話が載っていた。
「マコト様から見てどうですか?」
「ココだろ? “アスナさんは元々僕たちとは関係ないんですから”の部分」
と、指で指し示すマコト。
「「「エ!?」」」
何故か三人同時に声をあげる。
「恐らくネギはアスナさんをコッチの世界に巻き込んだ事に責任を感じてこういう事を言ったんだと思う。が、この言い方だと“お前は無関係な人間だからこれ以上首を突っ込むな”と聞こえるな」
「ソウカ~? パイ○ンジャナイノカ?」
「それも確かに酷いが、この場合アスナさんの事を考えてからこの資料を見た方がわかり易い」
ネギと一緒にいるアスナさんを見ればわかるだろ?
マスターと戦う時も修学旅行の時もいつもネギの隣にはアスナさんが居ただろう?
好きとかそういうのじゃないが、アスナさんの中ではネギは本当の弟のように大切に想ってると思うぞ。
「そんな相手から“お前は関係ない”と言われてみろ相当ショックだぜ。この時アスナさん怒ったっていうより泣いてたんじゃねーか?」
「そ、そそそそう言われればそうですね・・・・」
何故か冷や汗を流しながら俯く刹那。茶々丸は顔を真っ赤にして俯いている。
「ちょ、まさか!? 茶々丸さんも刹那も茶々ゼロと同じ見解だったのか!?」
その時、外からアスナさんの悲鳴とネギの謝罪の言葉が木霊するのだった。
「あーあ、俺はしらねーぞ」
次の日、早朝から携帯が鳴る。
「誰だこんな朝早く」
「長、火砕です」
聞けば緊急の会議があるらしく、早急に来てほしいとのこと。
「え? でもどうすんの? 今から電車乗るのか」
「いえ、学園内の地下にウチの者が居ると思うので詳しくその者に聞いてください」
そう言うと火砕からの電話は切れた。
学園内の地下って・・・・漠然としすぎだろ! こんな広い学園の地下って何処だよ!
しかも掛け直しても出ないし。
「とりあえずジジイに聞いてみるか」
それとなく準備をして扉を開けると男が立っていた。
「うおっ!? ビックリした~」
なんで平然と扉の前に立ってんだよ! ノックするか呼び鈴鳴らせよ!
「部隊長、お迎えにあがりました・・・・」
覇気のない声で男は言う。
「ああ、わかった。ところであんたらはいつもそんな格好をしてるのか?」
その男の格好はどこからどう見ても忍者なのだ。うん。誰がどう見ても忍者だ。
忍者が昼間から玄関に立っている・・・・。シュールな絵だな。
「これは私たち梟の標準装備ですがなにか?」
梟とは一応、烏と同じ斥候部隊の一つと聞いているが・・・・なんでも協会内に数多くある組織を臨検する役割も帯びてるらしい。
「そんな平然と言われたら突っ込めねぇよ。ほら、早く案内してくれそんな格好の奴と一緒に居るところを見られるわけにはいかねーんだよ」
そんな訳で時計塔の地下にやってきました。目の前に広がるは巨大な魔法陣が妖しく、まるで鼓動するように明滅していた。
「へー、此れが長距離用の転移魔法陣か・・・・」
「はい。木乃香お嬢様に何かあった時の為に作らせていただきました」
へー。まぁ、此処にそんな事が起きるとは思えないがな。
「部隊長、どうぞ魔法陣の方へ」
マコトはそのまま魔法陣の真ん中へと移動する。
「一応注意しておきますが、この魔法陣99%安全ですが1%の確立で失敗しますので」
「・・・・え? なにそれ? なんでそんな重要な事をいま平然と言うんだよ!」
「失敗した場合どこに飛ばされるかわかりませんので、その時はがんばってください」
「はぁっ!? がんばれってなんだよ!」
マコトの訴えも聞こえないのか魔法陣が力強く明滅し始める。
「えええええ、がん無視ですか~」
「では、お気をつけて」
「聞けよ! ちょ!? お前えええええええ!?」
光は段々と強くなり、部屋を照らし、ゆっくりと収束すると魔法陣の上には誰も居なかった。
「本当によろしかったのですか? 奥方・・・・」
男は後ろ立つ女性へとそう投げ掛ける。
「いいのよ。それより悪かったわね、梟の貴方にこんなこと頼んで」
「いえ。それよりも・・・・」
「なに? 私の息子の事心配してくれるの?」
「そうではないのですが、“知る”にはいささか早すぎるかと・・・・」
「そう? まぁ、いいじゃない。いずれは誰もが“知る”事だし、遅いか早いかの些細な問題よ」
・・・・。
・・・。
・・。
「・・・・これはまさか!?」
青年の目に映るは淡く光る夜の王、月。そして老朽化したレンガ作りの建物だった。
「転移失敗だったってことかぁあああああああ!!!」
お、おおおお、落ち着け。
転移に失敗したからと言って別に時間旅行をしたわけじゃないんだ。
落ち着いて此処が何処なのかを調べるべきだろう。
「そ、そうだな。まずは情報収集だ。うん、そうしよう」
だいぶ目が慣れてきた。ん? 此処は裏路地なのか?
「洋画でよく見るアメリカの町並みに似てるな」
とりあえず広い道に出てみるか。
「なんだこりゃ、街灯が全部割れて真っ暗だし。おまけに随分と荒廃した町だな」
ゴーストタウンか此処は、いや、でもマンションらしき建物の窓からは光が漏れてるから人は住んでるのか。
瞬間、少し冷たく乾いた空気に軽い破裂音が波紋する。
「ちょっ!? この音ってもしかして・・・・」
いやいやいや、いくらなんでもそれねーよ。
一瞬、マコトの足に何か当たり、心地の良い金属音を上げて転がる何か。
「なんだ?」
マコトはそれを拾い上げ、月明かりを頼りにそれを確認すると手が震え始める。
「こ、ここここ、これは・・・・」
それは小さな金属で出来た円筒形状の物だった。それは人間なら誰しも見たことぐらいはある物だった。
そして更にそれは道のいたる所に落ちていた。大きい物から小さい物まで。
「な、ななな、なんでこんなに薬莢が転がって・・・・」
やややや、やっぱりさっきの音は銃声って事になるな・・・・。
「・・・・ふぅ~。何処だ此処は? 中東か? それともアメリカ?」
中東とかは観光とか出来るレベルじゃないって言うし、アメリカもやばい町は腐る程あるって聞いてるし。
まぁ、どっちにしろヤバイ町に来た事は確かだし身体に魔力は通しとくか。
よく見れば彼方此方に血痕やら弾痕やら・・・・挙句の果ては人の死骸か。
壁に寄り掛かるように死んでいる男の身体から発せられる死臭はむせ返る程だった。
「・・・・こんな町に居たら気が狂いそうだ」
当てもなく歩くこと30分、路地から人の話し声が聞こえてくる。
マコトは素早く話し声が聞こえる場所へ移動する。
そこには金色に輝く長く美しい髪を揺らし、黒地のドレスを着た少女とその娘と対峙するように手にライフルを持った4人の男たちが居た。
「なっ!?」
フランス人形のような少女に4人の大人がライフルを構えるという異常な光景に一瞬マコトの思考が飛ぶ。
な、なにやってんだ俺は!? 此処は異常な町なんだ! あの娘を助けないと!
「なにやってんだよ! この馬鹿者共が!」
男達は突然現れたマコトに破れ、冷たいコンクリートの上に倒れこむ。
「・・・・」
少女は口をだらしなく開け、ポカーンという顔でマコトを見ていた。
「・・・・おーい? 大丈夫か? 聞いてるか?」
マコトはそんな少女に手を振った。
「すごいすごい! お兄さん日本人なのに強いんだね!」
少女はとつぜん覚醒し、マコトの腕に抱きつく。
完璧な日本語。イントネーションもバッチリ、すげーな。
「ん? どうしたの?」
「いや、随分と日本語上手だなって思ってよ」
「フフン。日本人のお客さんから一杯教えてもらったんだぁ~」
少女は少し自慢げに胸を張ると小さく微笑んだ。
「さぁ、行こうよ!」
少女はとつぜんマコトの手を掴み、引っ張っていく。
「おい、ちょっ、何処行く気だよ?」
「え? なに言ってるの? 日本人の人がこの町に居るって事はウチの店に来る以外ないでしょ?」
「店? なんの事だ?」
「もう、お兄さん冗談ばっかり~」
少女は無邪気に笑う、マコトの手を引きながら・・・・。
もし俺に妹がいたらこんな感じなんだろうか?
そして、少女に連れられやってきたのが“CoRRuPt”という電飾が虹色に光る小さな何かの店であった。
「ようこそ新装開店したcorruptへお兄さんが最初のお客様だよ~」
少女はそう言うと両開きの扉を開ける。
次の瞬間にはマコトの思考能力は停止していた・・・・。
「っ!?」
俺ハ今、夢ヲ見テイルノカ・・・・。
頭ノドコカデ誰カガ叫ンデル・・・・。
“――――るな!!”
何故心臓ガコンナニ早ク脈打ツノカ・・・・・。
“――――見るな!!”
何故俺ハ尻餅ヲツイテ後ズサッテイルノカ・・・・。
“――――げろ!!”
何故俺ハコンナニモ恐レテイルノカ・・・・。
“――――逃げろ!”
「っ!?」
マコトは覚醒と同時に胃の中の物を全てぶちまけた。
扉を開けてマコトを包んだのは泥濁しきった空気だった。
吐き気を催す程の死臭。
見渡す店内は血という血で床も天井も真っ赤に染まり、そこに人形のように一列に並んで座っている10人の少女達。
着飾られた年端もいかない少女達、どの娘からも生気は感じない。
その地獄のような店内をまるで舞台のように舞う目の前の少女は無邪気な笑顔を見せてマコトに聞く。
「さぁ、お兄さん。どこ娘でする?」
「・・・・ハァハァ。その娘達はなぜ死んでるんだ?」
マコトは口を拭い、はっきりとした声でそう口にした。
「え? なによ~死んでたらダメなの~? 前に来た人は“穴”さえ開いてれば死体だって構わないって人がいたからこうしたのに~」
少女は腰に手を当て、つまらなそうに頬を膨らました。
「・・・・」
なんなんだこの娘は・・・・なんなんだこの店は! なんなんだこの町は!
ここは本当に俺が住んでる地球なのか?
「お前一体なんなんだよ!!」
月光が照らすだけの寂れた町にマコトの絶叫ともとれる声が木霊する。
「お前なんで平気な顔してそこに居れるんだよ、お前の後ろに並んでるの死体だろ? なのに何で・・・・なんでそんな笑顔でいられるんだよ!!」
「笑う理由なんて一つに決まってるじゃない? 嬉しいからだよ♪ なんたって私はこの町のピーターパンなんだから」
「・・・・」
ねぇ、お兄さん。ピーターパンの住むネバーランドに大人が居ないのは何故か知ってる?
答えは簡単だよピーターパンが大人を殺してるからなんだよ。嘘だと思う? でも本当の事なんだよ。ピーターはねティンカーベルと一緒に平和な世界を作ったんだよ。
「だから私もこの世界から大人を消して平和な世界を作るんだ・・・・」
血塗られた舞台の上で少女は妖しく微笑み、そう宣言した。
青年はいつしか少女から逃げるように走り出していた。文字通り脱兎の如く。
脇目も振らず、ただ目の前の恐怖から自身を護る為に。
・・・・・。
・・・・。
・・・。
「・・・・」
どこをどうやって此処に来たのか自分でもわからねぇ。
青年は人気の無い廃墟で膝を抱えていた。見上げた夜空は黒い雲に覆い隠され、星一つ見えなかった。
「ハハ・・・・」
誰も居ない廃墟に乾いた笑い声が響く。
なんか知らんが、今物凄く木乃香と刹那に会いたくなった。
「マコト」
闇の中からマコトを呼ぶ声が聞こえたが、マコトは驚く事無くゆっくりと顔を上げた。
闇の中から姿を現したのは自分の父親だった。
「親父・・・・」
「マコト、こんなところで何をしてるんだ?」
「・・・・それは俺が聞きてぇよ。親父こそなんで此処に?」
「仕事に決まってるだろ?」
マコトは小さく、そうだったなと答えると大きな溜息をついた。
「・・・・親父、この町は一体なんなんだ?」
「アメリカ某州にある小さな町だ。元々はとあるマフィアが支配していた町だ。今は違うがな・・・・」
そうか・・・・。どうでもいいやそんな事。
「なんか酷く疲れた・・・・」
「どうした? 血の池で踊る妖精でも見たか?」
「・・・・っ!?」
父が言ったその言葉にマコトに脳裏にあの少女が浮かぶ。腰まで長く伸びた髪は砂金を想わせ、更に整った顔立ちでその姿は精巧に出来た人形そのもの。
だが、その瞳には光など一切射す事はない永久の闇を宿した少女。
あの瞳を思い出すだけで言いようのない寒気が全身を覆う・・・・。
「クリス・キサラギ。これが彼女の本名らしい、資料によると日系ブラジル人となっているが実際はわからんのが現状だ」
歳は今年で12歳、6歳の時にこの町に運ばれてきたそうだ。
以後6年間あの店で働いているらしい。
「・・・・」
「まぁ、簡単に言えば6年間変態共の慰みものだったって事だ」
父は平然と言い放った。
「なっ!?」
簡単な話さ、あの娘はなんだかの理由で両親を失った。そしてとある教会に預けられた、そこにこの町のマフィアが神父に儲け話を持ちかけた。
“ここに預けられてる子供達を売ってくれないか”
あろう事か神父は提示された大金に目が眩み、それを承諾した。
結果、あの娘を含む少年少女十数人がこの町に“売られてきた”だけだ。
「っ!? 親父! いいかげんしろよ! 売られてきただけだと? 立派な人身売買じゃねーか!!」
マコトは父に掴みかかる。が、父は顔色一つ変えず“そうだな”と答えた。
「そうだなって・・・・」
「今、この町で大事件が起きてるんだよマコト。今日の時点で死者は600人を超える程のな。マフィアの構成員から始まり、幹部、ボス、警官隊、関係のない民間人まで合わせて600人を超える」
「ちょっと待て・・・・親父。それってもしかして」
「全てあの娘一人の仕業だ」
「・・・・じゃあ、親父の仕事っていうのは!?」
父は何も答えずただそこに立っているだけだった。
「どうやったかは知らんが、少女は魔力による身体強化を実現している。更にこの大事だ、もしこれで少女身体が調べられ、魔法バレに繋がることにもなりえる為、私が派遣された」
「・・・・じゃあ、親父は魔法バレを防ぐ為にあの不憫な娘を殺すのか?」
マコトは項垂れ、囁くように父に問う。
「そうだ」
即答。マコトの問いに父は堂々と答えた。
瞬間、マコトの右拳が飛ぶが、簡単に避けられ目標を見失った拳は壁に穴を開ける。
「・・・・さっきからさも当然の様に答えやがって! ふざけるのもいい加減にしろよ!」
檄するマコトに対し父は面倒臭さそうに頭を掻く。
「正直、あの少女の過去なぞどうでもいい。私はただ魔法バレを未然に防ぐ為にあの娘をさっさと消して次の任務に行くだけだ」
「もうわかった。親父は頭がイッちゃったみたいだな。ここで俺がショック療法で正常に戻してやるよ」
マコトはゆっくりと右手を翳す。
「ならば聞こう。マコト、お前ならどうする?」
親父は極端に考えすぎなんだよ。なにも殺さなくてもいいんだよ!
「あの娘の記憶を消し、保護する」
マコトは凛然と言い放つ。
「確かにそれで少女は今持つ力の事も忘れ、施設で、または里親のところで幸せに暮らす事ができるかも知れない。後はこの事件を情報操作によりなかった事にすれば万事解決。が、一つ問題がある」
「なんだよ」
“あの少女はそれを望まないだろう”
「それは親父が決める事じゃないだろ?」
「なにを言ってる? お前があの娘の夢を聞いたのではないか?」
風鳴りがぴたりと止む。
ジワリと気持ちの悪い汗が滲み出てくるのを感じる。
頭の片隅から少女の声が聞こえてくる。
――――ねぇ、お兄さん。ピーターパンの住むネバーランドに大人が居ないのは何故か知ってる?
――――答えは簡単だよピーターパンが大人を殺してるからなんだよ。
――――ピーターはねティンカーベルと一緒に平和な世界を作ったんだよ。
“だから私もこの世界から大人を消して平和な世界を作るんだ”
赤黒く汚濁する湖の上でスカートの裾を持ち上げ、仰々しく頭を下げる少女の姿が思い浮かんだ。
「ふざけるな! あんなのが夢だっていうのか!」
「どんな内容であろうと誰だって夢を持ち、追う権利はある!」
「なっ!?」
父の言葉にマコトは言葉を失う。
「・・・・だけど。だけどよ。人を殺す事が夢ってのは悲し過ぎるだろ」
項垂れて、僅かに声が上擦るマコト。
「唯一あの娘を救う方法があるとしたら、全てを棄ててあの娘の傍に居てやる事だな」
「全てを?」
「そうだ、お前の場合なら木乃香嬢や刹那の事、実行部隊の事など全て棄て最後の時まであの娘の味方でいてやれ。例えあの娘以外全てを敵にまわそうとな」
どんなことがあろうと、彼女を裏切らず。
どんなことがあろうと、彼女だけを信じ。
どんなことがあろうと、彼女を護る。
その覚悟があるならば私を殺して彼女のところに行ってやれ。
出来ないのであれば、此処で私の帰りを待て。
「さぁ、選択だマコト。お前はどうするんだ?」
「俺は・・・・」
スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿
トラックバック
- トラックバック URL
- http://tunpo.blog83.fc2.com/tb.php/114-97d7d90d
- この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)