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真・その名はマコト外伝2(過激な表現が(rs

親父・・・・。
 青年は冷たいコンクリートの上で倒れている父を見下ろしていた。
「・・・・悪い」
 青年の小さな呟きは誰の耳にも届かなかった。
 そして青年はあの場所に向う。
 少女は屋上で星一つ見えない重たい夜空を仰いでいた。
「今日は星が見えないねー」
「・・・・ああ、雨でも降りそうな天気だしな」
 今でも信じられない。この小柄な娘が百単位で人を殺したとは。
 青年は友人に話しかける様に少女に語りかけた。
「なぁ、もうこんな事はやめて俺に全てを任せてみないか?」
 一瞬、少女の身体がピクリと震えるが青年は構わず続ける。
「大丈夫、絶対悪い様にはにしない! 此処の事なんて忘れてさ! もう一度やり直そうぜ? 君の人生まだまだこれからなんだから」
 青年は少女に同意を求める・・・・が、少女は一度クスリと笑った。
「お兄さんは優しいね・・・・でもね、それは出来ないよ。だって私はもう」
“夢に向って走り出したから”
「途中で投げ出して逃げる訳にはいかないの、沢山の人から命や時間、想いや夢を奪ったから最後の時まで諦める訳にはいかないの・・・・」
 そう言う少女の目は真っ直ぐに青年を射抜き、意思の強さを現していた。
「・・・・最後って言うのは・・・・君が死ぬまでって事か?」
 そう訊ねる青年の声は震えていた。
「うーん。ちょっとだけ違う、正確には私が殺されるまでだよ」
 衝撃がはしる感覚ってのはきっとこういう感覚なのだろうか?
 後頭部をレンガかなにかで強くぶったたかれたみたいだ。
 少女は全て覚悟の上で舞台に上がっていた、他人を犠牲にする夢を追いかける者はいずれその夢を拒む者によって殺されてもおかしくない。
 この少女はそれでも構わないと言い放った。
「それで、お兄さんは何をしに此処に戻ってきたの?」
 “どんな内容であろうと誰だって夢を持ち、追う権利はある”
 ああ、その通りだ親父。俺もようやくわかったよ俺のくだらない正義感では誰も救えないと言う事。記憶を消して保護する? 自分で言ってて吐き気がする。それは少女の為ではなく自己満足の為の案だったよ・・・・。
 少女が夢を追うなら、俺のとるべき行動は一つ。
「俺か? 俺は君の夢をぶっ壊しに来たんだよ・・・・」
瞬間、少女は軽やかなバックステップでマコトとの距離を開ける。
「やっぱりね、そんな気はしてたんだ。じゃあさっきの言葉も嘘だったんだね!」
「・・・・フフフ、アハハハハ! そうさ! 油断したところを殺ろうと思ったんだがな!」
「お兄さんだけは他の大人達とは違うと思ってたのに・・・・残念」
「残念だったな、お兄さんはフック船長の手下だからな」
「じゃあ、死んでもらうね」
 少女はスカートを少し上に上げ、太腿のフォルダーからサバイバルナイフを取り出す。
ざっと見て刃渡り40センチはあるな。
瞬間、少女は一脚でマコトの距離を詰め、頚動脈を狙って刃を突き立てる
これで御終い。少女はいつも通りに動いた。
これで相手は首から血を噴出し倒れる筈だった。
だが、いま膝をついているのは自分だった。
「カハッ・・・・ハァハァ」
 なんで? なんで私が見下ろされてるの? なんであの瞬間反応できるの?
 なんで反撃できるの?
「どうしたピーターパン、そんな事ではキャプテンフックの足元にも及ばんぞ?」
「ハァハァ・・・・キャプテンフックはお兄さんよりも強いの?」
 少女は腹部を押さえながらヨロヨロと立ち上がり、再びナイフを構える。
「ん? ああ、悔しいがキャプテンフックの方が強いな」
「そっか、じゃあ早めに私もパワーアップしないとね」
 瞬間、少女の足元に赤黒く光る魔法陣が描かれる。
「なっ!?」
 この魔法陣が何なのかはわからんがこの異常なまでの魔力、そして気持ち悪い禍々しさだけはわかる。
「よせ!! それはかなりヤバイ物だ!」
「大丈夫だよ、私はおじさんと一緒になるだけだから」
 魔法陣から一本の触手が現れ、少女の胸を貫く。少女は力なくその場に倒れる。
 そして魔法陣の光が収束していくなか、胸を貫かれた少女はゆっくりと立ち上がる。
 そして少女が目を見開いた瞬間、全てが変わった。
「なんてことを・・・・」
 リミッターを無理矢理外したのか? いや、そうしないと人間でここまで魔力が溢れ出す事はありえない。
「アハハハハ! 凄いよ! 凄い漲るよ!! それに全部わかっちゃった!」
 少女は青年を指差し、言った。
「お兄さん、魔法使いだったんだね~」
「なっ!?」
「凄い凄いよ、この世界には魔法使いも、悪魔もいるんだね♪ これなら私の夢もすぐに達成できるよ」
 少女はナイフを棄て、突然ボクサーの様な構えを取る。
「お兄さん、本気にならないと死んじゃうよ。悪魔パンチ(デーモニッシエア・シュラーク)!!」
 瞬間、少女の拳から閃光が放たれ、青年に直撃した。
「アハハハ!!楽しい~♪」
「やるな・・・・」
 砂埃の中から出てきた青年は額からつたう血を拭うと口元を吊り上げた。
「お兄さんこそ、さーてドンドンいくよ~」
「プラグテ・ビギナル・・・・」
 瞬間、二つ閃光が交差し、二人とも紙切れの様に宙に舞う。
 そして二人、着地した場所で砂煙を払い互いに口にする。
「「まだまだ」」
 青年と少女は何度も何度もぶつかり合う。
 少女は何かを必死に訴えるようにぶつかり、青年は全てを受け入れるように向かっていく。
「私ね、両親の顔をあまり覚えてないんだ。私には何故か両親が居なくて気が付いたらどこかの教会で暮らしてた」
「・・・・」

「教会での暮らしはなんだかんだで楽しかったよ、周り子達も私と同じで親が居なくて、同じ境遇だからかな? 気兼ねなく接しれた」
 神父様も優しくてさ皆で神父様の事をお父さんって呼んでたんだ。
 でもある時ね、黒い車が3台教会の前に止まって怖そうな人達が降りてきて。そこから私達の地獄が始まったんだ。
 毎晩毎晩いろんな格好させられて、いろんな大人の男が私たちを犯していったわ。
「ある時、私の友達の一人が逃げようとして殺されたの、そしてその死体を私達に見せて逃げればこうなるって教えられた」
 私は死にたく無かった、だから一生懸命言葉とかいろんな事を勉強した。
「結果的に言うと6年前に連れて来られた子達の中で生き残ったのは私一人、ほとんどの友達はお客さんに殺されたわ。あ、店で死んでるのは補充された子供たちだよ」
 私はただ、死という恐怖に縛れた淋しい人形。友達一人救えない弱い存在だった。
「でも、ある時ね、お客さんのおじさんが私に言ったの」
 “もし、何者にも縛られない力を手に入れた時君はどうするね?”
 その時の私は何の迷いも無く、言っちゃったんだ・・・・。
「大人の居ない世界を作るってね」
 そしたらそのおじさんは私にこの力をくれたの、そこからは楽しかった。
 今まで私を見下ろしてた奴らが今度は私に見下ろされて糞尿垂れ流して許してくれってせがんでくるの♪ すっごい気分がよかった~♪
「そうか・・・・」
「あ、隙あり! 悪魔アッパー!!」
「ぬおおおおおおお!!」
「アハハハハ! でも、今はそんな事どうでも良いって思えるんだ。こうしてる事が凄く楽しいんだもん。お兄さんと全力でぶつかり合うこの瞬間が何よりも楽しいんだ!」
 青年は自分の上に乗っている瓦礫を退かし、少し唇を噛んでから不敵な笑みをこぼす。
「いいだろう最後まで付き合ってやるよ全力でな!」
 青年の髪と瞳の色が変わる。
「わ~凄い凄いなにそれ♪ だったら私も!!」
 少女の身体に魔法陣の様な刻印が赤く光りだす。
 真っ黒く重い雲と時より顔を覗かせる月だけが二人を見つめていた。
 そして、現実とは非情なもの、楽しい時間程すぐに終わってしまう。
「あ~あ残念♪ キャプテンフックの手下に負けちゃった・・・・」
 力なく倒れる少女の身体を青年は優しく抱き止める。
「・・・・残念だったな・・・・ピーターパン・・・・」
「アハハ、泣いちゃ駄目だよお兄さん。ちゃんと悪者らしく笑わないと・・・・」
 青年は溢れる涙を拭いて少女に笑顔見せて言った。
「ガハハハハハ!!! その程度では俺には勝てんわ!!」
「・・・・フフッ、ちくしょう~覚えてろよ手下め~」
 既に少女の言葉に力は無かった。
 青年はギュッと少女を抱きしめる。いつしか降り出した雨が二人を濡らす。
「・・・・お兄さん、私最後の最後で気がついたよ・・・・」
 少女は青年の耳元で言った。
“人って本当はこんなにも暖かいだね”
 それを最後に少女の身体は石化し、砕け散った。
「くっ・・・・」
「悪魔との契約をして死んだ者は石となり決して土にかえる事はない」
「ああ、なにかの文献で読んだ事がある・・・・親父、どうすればこの娘の様な子供達を救えるんだ?」
 父は雨の降り出した夜空を仰ぐ。
「誰でも良い、誰か近くの者が彼女を愛し優しくしてやればよかったのだ」
 もしも神父が金に目もくれず命がけで彼女達を護ったなら、彼女達は今頃揃って学校に通っていたかもしれない。
 世界中の大人達が子供を愛する心を持っていれば、今もこうしている間にも不幸な目にあってる子供達は居なくなるだろう。
「フッ、いかんな。魔法使いがこんな理想論を口にしては・・・・」
「自分が嫌になるな、実現できもしないのに頭の中に理想ばっかり浮かんできやがる」
 青年は唇を噛み、悔しさで涙を流す。雨はいつまでも父と子を濡らすのだった。
 
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意地を張るなよ、本当は厨二が好きなんだろ?
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