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真・その名はマコト(メインディッシュパート2)

「・・・・マコっちゃん。あのおじさんが言った事は本当なん? 本当にマコっちゃんは・・・・」
 木乃香はそこで言葉が途切れてしまう。
「ああ、本当の事だ。結果的に俺はまだ幼い少女を殺した。それを否定する気も、自分を擁護する気もない」
 青年の心に迷いは既に無く、青年は力強くそう語った。
「・・・・うちは否定して欲しかったな・・・・」
 木乃香はそう零すと俯き、涙を頬に伝わせた。
「ウチには・・・・わからん。マコっちゃんがわからんよ!!」
 叩きつけるような言葉の後、木乃香は走り去ってしまった。
「お嬢様!」
 刹那だけが木乃香の後を追いかけていく。
 残された者の全てが口を紡ぐ。その場に漂う空気に耐えかねたマコトは静かに移動した。
マコトを誰も止めようとはしなかった。
 今はとりあえずマスターのところへ謝りに行った方がいいな。
 扉を開けると、小さな主人が優雅にお茶を楽しんでいた。
「ふん。迷い猫がやっと帰ってきたか・・・・」
「・・・・マスター。すいませんでした!!」
 マコトの言葉を受けて、小さな主人はソファーから立ち上る。
「別に構わんぞ、それよりも先に別荘に行って風呂に入って来い」
 小さな主人はまるで聖母のような笑顔でそう言った。
 普通であれば、なんとも喜ばしい展開なのだろうが、マコトは底知れない恐怖を感じていた。
「は・・・・はい」
 俺、殺されるかも・・・・。
 次の日、青年は力を手に入れ、少女二人は“知る”事になる。
・・・・・。
・・・・。
 ・・・。
 学園際も近くなって騒がしくなってきた教室。そんな中、一人俯く少女。
 陽が傾き、教室を夕陽の光が射して均等にならぶ机の影を作る。
 アスナ達は木乃香がなぜ落ち込んでいるかを知っている、知っているからこそなんて声を掛けていいかわからず、せいぜい理由を知らない周りの友達に“今はそっとしといてあげて”と言うことが精一杯だった。
 誰も居なくなった教室に一人佇む少女に声を掛けるもう一人の少女。
「お嬢様・・・・帰りませんか?」
「・・・・うん」
 刹那の声に頷き、立ち上がる木乃香。
「あれ? あの子・・・・」
 そう言われ、木乃香は刹那の見ている方へ視線を向ける。
 そこには木乃香達を覗くように見ている男の子が居た。
「・・・・せっちゃんの知り合いの子?」
「いえ、知らないのですが・・・・どこかで見た事のある子だなぁと」
「せっちゃんもそう思う? ウチもそんな感じがするんや」
 男の子は見た目からするに小学3年生くらいで、白筒袖に袴という弓道衣の様な姿で木乃香達をじっと見ていた。
「こんにちは、此処に何か用かな?」
 木乃香は少年に近づいてそう言うと少年は初めて言を放った。
「・・・・知りたい?」
「え?」
「どうしてマコト兄ちゃんが殺人を否定しなかったのかを・・・・」
 瞬間、刹那が少年から発せられる異様な気配に気付き木乃香の前に出る。
「お下がりくださいお嬢様、この子は危険です」
 夕凪を手に剣先は少年に向け、ジリジリと木乃香を背中で押すように下がる刹那。
「待ってせっちゃん。この子マコっちゃんのこと何か知ってるみたいや」
「駄目ですお嬢様、この子の素性が知れない以上敵の罠ということもありえます。ですから下手に近づくのは危険です。」
「・・・・知りたい?」
 少年は刹那と木乃香の会話内容など聞こえていないかの如く再び同じ言を放つ。
「・・・・貴様」
「知りたい!!」
 刹那が夕凪に力を入れた時、誰も居ない教室に木乃香の声が響く。
「お嬢様・・・・」
「ごめんな、せっちゃん。ウチの事を心配してくれるんは嬉しいよ、けどやっぱりウチ知りたい! マコっちゃんの事を知りたい・・・・」
 そう言い俯く少女に刹那は言葉を無くす。
「いいよ・・・・行こう」
 少年はいつの間にか木乃香の傍まで来るとその手を握る。
 瞬間、木乃香の身体が力なく倒れる。
「なっ!? お嬢様!!」
「大丈夫、眠っただけだから・・・・」
 少年は刹那の手も握ると、刹那も力なく倒れた。
「・・・・」
 少年は誰も居ない教室で少女二人の寝顔を見て、少しだけ懐かしむとゆっくりとその姿を消した。


 ※            ※            ※


時間は遡り、約30時間前、マコトは別荘でマスターからありがたいお説教と銘打ったイジメを耐え抜いていた。
「ハァハァ・・・・死ぬ・・・・」
「・・・・まぁ、がんばった方だな。ほれっ」
 そう言うエヴァンジェリンから投げ渡される一冊の本。
「・・・・え?」
 表紙にはWITCHCRAFTと書かれていた。
「こ、コレって!?」
「ヘルマンが言っていた本だ。妙な魔力を帯びている本だからな何となく書庫に入れといた物だ」
「く、くれるんですか!?」
「ああ、お前の好きにしろ。どうせ封印処理が施されて読めんからな・・・・」
「ええっ!?」
 ええ~。めんどくさ!!
「まぁ、別荘にいれば時間はたっぷりとあるんだ根気強く解いてみたらどうだ?」
 エヴァンジェリンの口元がつりあがる。
「ケケケ、イイノカ御主人? 何十年モ探シ回ッタ物ダロ?」
早速本を持ち、別荘内にある自室に移動するマコトの後ろ姿を見つつ、
「フフッ、単なる酔狂とでも言っておこう」
 そう言った。


 ※            ※            ※


マコトはいろいろ試した。
聖水に浸したり、ちょっと炙ってみたり、腕力にものをいわせてみたり、十字架を近づけてみたり、そんな事を続けてみたが本には何の反応もなく、悪戯に時間ばかり過ぎて行った。
「くっそ~なんなんだこの本はいい加減開けっての・・・・」
・・・・なにを本に愚痴ってるんだ俺は。
「だーっ! どうやったら開くんだよこの本・・・・」
 まさか、単純に魔力を通すだけって事は絶対ないよな・・・・。
「いや、流石にそれはねーよ。もしそうだったら俺が馬鹿みたいじゃねーか」
・・・・。
「オホン・・・・一応試してみるかな」
 マコトは本を掴んで魔力を送る。瞬間、本から光が溢れ出した。
「嘘っ!? マジかよ!?」
 そして光が止んだ時マコトはただ真っ白い空間に居た。
 本当に何もない、壁も柱も家具も何もない空間。
 マコトは周りを見渡し、背後の視線を感じ振り向くと上下真っ白のスーツを着こなし、青色の長い髪から雫を落とす女性が立っていた。
「アンタ、もしかしなくてもアホでしょ?」
 女性は濡れた髪をかき上げながらそう言った。
 その時露になる女性の素顔。整った顔立ちは可愛らしいというよりは美しいと言えるがとても美しいの一言で表現できるものではなかった。
 そして何故か全身濡れている所為で余計女性の持つ艶が際立つ。
「え?」
「普通さ、封印処理を施してあるって言われたら魔力でなんとかするのが魔法使いでしょ? なんで聖水掛けたり、炙ったりすんのよアンタはっ!!」
「いや、封印処理って言うから聖水とかで消えそうな気がしたから」
「はぁ・・・・封印処理って聞いてなんで聖水なのよ。アンタ、アホ通り過ぎて頭おかしいんじゃない?」
 うぁーい、すごい溜息そしてすごい暴言~。
「はぁ、もういいわよ。疲れた、本題いこう本題」
 女性はそう言い、腰に手を当てるとどこからともなく風が吹き始め、風が女性を囲む。
 風の中で女性は自らの髪を結い、見事なポニーテールを完成させた。
 そしていつしか風は止み、風で少し乱れた上下白のスーツを手で軽く直すと手鏡で自分の姿を見て満足してから言った。
「我が力を求めし者よ、よくぞ参った。」
「・・・・せっかくカッコよく決めてもらった後で申し訳ないのですが、一つ質問よろしいですか?」
「言ってみろ」
「貴方は誰ですか?」
 瞬間、女性は頭から床に突っ込んだ。
「ちょ、大丈夫っすか?」
「いつつぅ・・・・」
 女性は頭を手で摩りながら立ち上がるとマコトを睨みつけた。
「アンタ、この本がどんな物か知らずに開いたの!?」
「ええ、まぁ・・・・」
「なんでよ!? そこ間違ってるでしょ! なんでアンタ何も知りもしないでこの本開くのよ!!」
「いや、つい最近。ヘルマンの旦那にこの本を薦められまして」
 それを聞いた女性は瞬間的に冷静さを取り戻し、再び腰に手を当てる偉そうなポーズをとった。
「ヴィルヘルム・ヨーゼフ・ホォン・ヘルマンからこの本の事をねぇ。良いでしょう、本当は説明するのは面倒だったけど、ヘルマンのオスミツキなら期待出来そうだから教えてあげる」
“私はアスモデウス。嘗てはソロモン72柱の1柱であり、序列からして32番目の大いなる王であった者だ”
「アスモデウス、確かキリスト教の七つの大罪では色欲を司る悪魔」
「へぇ、知ってるのか。良い子だ、何事にも勉学を怠らない奴は好感が持てる」
「ははっ、そりゃどうも・・・・」
 そしてアスモデウスは悪魔でありながら人間に協力的なところが特徴だ。
 つまり、この本はアスモデウスが封印された本というわけで、魔法使いなら誰でも喉から手が出る程の一品だ。
 人に魔法を伝えた悪魔の知識・・・・しかもそこらの悪魔の物じゃない。
 悪魔の長、ルシファーに最も近い存在の悪魔の知識、力、秘術。
 それが手に入る・・・・魔法使いが欲しがるは必然。
「わかってきたようね青年よ。そしてこれが私の力よ」
 そう女性は言い、人差し指を立てるその先には小さな魔法陣がコインの様に回っていた。
「・・・・魔法陣?」
「そう。魔法の公式であり、いわば原点。ここで貴方に質問、足算、引算、割算、掛算、分数、などのいろいろな計算式があるけれど、もっと別の方法で計算って出来ると思わない? 何故基本が足す引く掛け割りなの? 本当にそれしかないの? 形ある物の面積を求めるのに公式があれしかないの? 数字は無限にあるのに 何故公式は数えるほどしかないのかしら?」
「ちょ、ちょっと待ってくれ。今の話は魔法に置き換えて解釈してもいいんだな?」
 マコトがそう言うと女性は口元を吊り上げた。
「つまり、お前は別の計算式を知っていると!?」
「チッチッチッ、それじゃあつまらないじゃない。作るのよまったく新しい計算式をね」 
「それはつまり、魔法を作ると言うことか・・・・」
「大正解、魔法は無限の可能性を秘めた秘術よ。要は発現させる公式があればどんな魔法だって発現出来るのよ」
「だが、魔法陣は大魔法の補助としての役目しかないでは?」
「そこが、私と人の違いよ。説明するより見せた方が早いわね。なんでもいいから、今現在既存する魔法を言ってみなさい」
「じゃあ、痛いのはゴメンだから。戒めの風矢(アエール・カプトゥーラエ)あたりで」
 女性は一度口元を吊り上げると、腕を組みながら言う。
「魔法の射手(サギタ・マギカ)戒めの風矢(アエール・カプトゥーラエ)」
 瞬間、マコトの直下に魔法陣が現れる。
「っ!?」
 マコトは嫌な感じがし、瞬時にその場から離れた瞬間、魔法陣から戒めの風矢が発現した。
「んなっ馬鹿なっ!?」
「多重展開・・・・」
 女性の無機質な声と共にマコトの周り全方位に先ほどと同じ形をした魔法陣が囲む。
「嘘だろ・・・・」
「発動・・・・」
 結果、全方向から戒めの風矢が発現し、マコトを雁字搦めにする。
 女性は先ほどの位置から一歩も動かず、手も組んだままで、悠然とそこに立っていた。
「どうかしら? これが私の秘術。魔法陣からの魔法の行使、いえ、正確には魔法自体の強制召喚ね。どう? この力欲しくなった?」
「・・・・どうすれば契約してくれるんだ?」
「フフフ、話が早くて助かるわ。そーね、貴方自身を探してきて・・・・」
 マコトが詳細を聞こうと時、突然女性の横に立つ少年がいた。
「そのガキはなんだ?」
「フフフ、貴方の心の欠片よ」
 心の欠片?
 その時、少年はどこかに走り去ってしまう。
「ほらほら、追いかけないと」
 女性はそう言い、戒めの風矢を解く。
「あのガキを捕まえてこればいいのか?」
「そうよ。簡単でしょ? でも急いだ方がいいわ。貴方が人形になる前にね」
 そんな意味深な言葉を残し、彼女は白い霧に消えてしまう。
「なるほど・・・・人形か」
 ふとマコトの頭を過ったのが茶々ゼロだった。
 キツイな・・・・。
「よし、とりあえず、あのガキが走っていた方向へGOだ!」
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