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真・その名はマコト(メインデッシュパート6)

優勝賞金一千万円!! ようこそ復活した“まほら武道会”へ!!
 皆様お疲れ様です! 本選出場者16名が決定しました。
 本選は明朝8時より、龍宮神社にて!
 まほら武道会の予選が終わり、煌びやかな学園都市の上空を巡回中の飛行船内。
 あのローブの男・・・・かなり複雑な魔法だったな。
 マコトの脳裏に蘇るのはまほら武道会予選時に見た白いローブを着た長身の男の姿。
 操影術でもない、楓の様な分身でもない・・・・。
 あんなに多くのスペルを蜘蛛の巣様に均等に美しく編み込んだ術式。
 ・・・・なぁ、アスモ姉さん。
 “私はマコトに全て教えたよ? スペルと図式の関係や他人の魔法を読み解く方法も、後はその知識を駆使してアレが何なのかどんな物なのかは自分で付き止めればいいだけじゃない。それともマコトはそんなことも出来ない無能なのかな?”
・・・・あの日からアスモ姉さんの口調や雰囲気が変わったなぁ。
 やっぱ姉の魂を取り込んだからか影響を受けてるのか・・・・。
 これはこれで良いもんだな、親友とは違う姉弟か。
「どうしたネ、マコト君。さっきからトーナメント表ずっと見つめて・・・・というか此処に居るときぐらいは仮面を外したらどうネ」
 別の部屋から出てきた超 鈴音は団子頭を梳いて、頭から湯気を上げながらそう言った。
「それは出来ないな、なんたってカッコイイだろ?」
「・・・・好きにするネ」
 超はめんどくさそうに言い、ソファーに腰掛けて置いてあった煎餅を口にした。
「まぁ、冗談は置いといてこのカーネルサンダっ違った、クウネルサンダースって野郎人じゃないぞ」
「ふむ、人外ならエヴァンジェリンが居るから特に問題はないと思うヨ?」
「いや、人外ではない正確には本体では無いって事だ。複雑な魔法での分身か影か。しかも所属が図書館島の図書館司書だとよ。怪しい匂いがプンプンしないか?」
 超は少し考えるとマコトを見て微笑む。
「じゃあ、マコト君が確かめてきてほしいネ。彼が私達にとって障害になるか否かをネ」
「闇討ちとか無理だぞ、予選終了と同時に後を付けようと思ったが霧の様に消えたからな。気配は愚か、魔力の反応まで消えたとあっちゃ追いようがなかったぞ」
 超はチッチッチッと指を振ると言う。
「闇討ちするのはそのローブ男の方じゃないネ、コッチネ♪」
 超は妖しく笑い、トーナメント表に書かれている一人の名前を指す。
「なーるほど」
「後の事はコッチで段取りするネ」
「あいよ。じゃあさっそく行ってくるかね」
 マコトはゆっくり立ち上がると一枚の魔法陣を敷くとその上に乗り、姿を消した。
 夜10時20分35秒麻帆良学園都市のどこか・・・・。
「大豪院ポチだな?」
 そんな声が聞こえ大豪院ポチは振り向いた瞬間、後頭部に衝撃が走り、彼は力無く倒れた。
 後に大豪院ポチはこう語る。“悪魔に襲われた”と。
 そして次の日、麻帆良祭2日目。
 さて、武道会が始まる前に一度フラスコ別荘に戻って資料の処分とその他諸々の後始末をしてくるか。
 別荘に入り、部屋に向かうとビーチの方から賑やかな声が聞こえてきた。
「げっ!? 誰か居るのか・・・・」
 マコトは茂みからそーっと顔を出すとアスナ、木乃香、刹那がビーチバレーをして盛り上がっていた。その横ではネギと犬っ子がなにやら騒いでいた。
「流石に此処で見つかる訳にはいかないな」
 マコトは茂みの中から自らの部屋を目指そうと一歩踏み出した時。
「お前はなにをやってるんだマコト」
 マコトは一瞬身体をビクつかせ、振り向くと白のレオタードタイプの水着を着たエヴァンジェリンが訝しそうな目で立っていた。
「い、いや~ハハハ」
 何故かどうしようもない恥ずかしさが込み上げてくる。
 てか、俺の事バレてる・・・・一応アスモ姉さんが近くに居る時は俺の魔力量は変わるから俺だと断定出来ない筈なんだが・・・・。
“マコト、そんなことよりチャンスじゃない”
 チャンスって? 何が?
“幻惑使ってみれば?”
 あーなるほど・・・・効くのか?
“試してガッテン”
 ガッテンって・・・・。
「・・・・マスター一つお願いがあるのですが?」
「ふむ、話ぐらいは聞いてやろう」
 “少し、俺の物になってくれませんか?”
 瞬間、マコトから流れてくる冷たく黒い風をエヴァンジェリンは不適な笑みをしたまま平然とそこに立っていた。
「フッ、何の真似かは知らんが祖である吸血鬼の私にそんな幻惑は通じんぞ?」
 “流石に祖である吸血鬼には混乱や幻惑の魔法は通じないのね~”
「コレでマスターに効けば儲けもんだったんですけどねぇ、残念」
 マコトはそう言い肩を竦めると、仮面を外してエヴァンジェリンの目を見つめ何も語らず一度頭を下げて再び茂みの中へと入っていく。
「・・・・マコト、楽しみにしているぞ」
 エヴァンジェリンはマコトの背中にそう声を掛けるが、マコトは振り返らずそのまま姿を消すのだった。
「フフフ、あの眼・・・・まったくマコトやぼーやを見ていると本当に歳を実感するよ」
 そしてAM6時。まほら武道会本選入場開示。
 第一試合、村上小太郎 対 佐倉愛衣。
「愛衣!! 結婚してくれーーー!!!!」
 ふぅ。なんてな・・・・。
 小太郎の起こした風圧により場外へ吹っ飛ばされた愛衣がリングアウトにより村上小太郎の勝利。
 さて、行こうかね。
「第二試合、クーネル・サンダース選手と大豪院ポチ選手の試合ですが、大豪院選手の入場が確認出来ていない為、不戦勝と行きたいところですがクーネル選手にはコチラで用意したリザーバーと戦っていただきます!」
 波の様に押し寄せる観客席からの声援。
その中を悠然と歩いてくるノッペラな面に超包子とだけ書かれた不気味な仮面をつけた、黒地の執事服を着た男。
「ご紹介します。主催者超 鈴音の執事であり、護衛でもある超包子仮面です!!」
・・・・どんな設定だ。いや、この執事服を渡された時から変だなとは思ってたけどな。
とりえずそれらしく頭を下げとくか。
 マコトは仰々しく頭を下げる。
 おーおー。近くで見ると本当に複雑な術式だな。
「それでは第二試合Fight!!」
 とりあえずは身体に魔力を流して、突っ込んでみるか!
 マコトは一脚でクウネルとの距離を詰め、右拳を放つが、クウネルは僅かに身体を傾けるだけで右拳を躱す。
「うぁ・・・・」
 たかが身体を傾けただけのその動きがあまりに綺麗でマコトの口から吐息が声になってもれる。
 マコトはすぐに体勢を整え、クウネルの反撃に合わせる様に撃蹴を放つ。
「超 包子仮面吹っ飛んだーっ!! 大丈夫なのでしょうか!?」
 朝倉の声が響く中、マコトはリングを囲んだ池に仰向けに浮いていた。
「・・・・」
 ふむ。コチラの攻撃はすり抜け、アチラの攻撃は大いに有効と・・・・。
 とんでもないチート魔法だな。もし、これで計画の邪魔なんかされたら流石に冗談じゃないな・・・・。
 最悪の場合、俺の手の内を殆どを晒してしまう事になるが致し方ないか。
 マコトは場外カウントを続ける朝倉の声を聞きながらリングに戻る。
「おおーっと超包子仮面、ずぶ濡れですがまだ大丈夫のようです!」
「クウネルさん、一つだけ答えて欲しい事があるのですが?」
「・・・・」
「そんなチートを使ってまでこの大会に何を求めに? 賞金? 超 鈴音絡み? エヴァンジェリン? ネギ先生? それともその他?」
 互いに見詰め合ったまま、クウネルは口を開く。
「・・・・そうですねぇ、賞金もあるのですが本命は彼でしょうか」
 そう言い、観客席にいるネギ先生を見るクウネル。
「驚いたな、本当に答えてくれるとは思わなかった」
 するとクウネルはくつくつと笑い、
「答えないとあなたは人目も憚らず全力をもって突っ込んできそうな感じがしましたので。答えた方が得策と考えたまでです」
 バレとるがな。
 “あれだけ殺気を纏ってて隠してるつもりだったの!?”
「こちらも一つ訊いてもよろしいですか?」
「なんだよ?」
 “その様なモノを身体に入れて貴方は何をするつもりですか”
「・・・・大規模な子供の悪戯でもやってみようかなって」
 それを聞いたクウネルはそうですかと口にフードの奥で微笑んだ。
・・・・・
・・・
 ・・
「おつかれさまマコト君」
 龍宮神社に一時的に設けられた数多くのPC置く一室。
 超から手渡されるバスタオルを受け取るマコト
「おう。一応本人が言うにはネギ先生狙いらしいが」
 マコトは身体を拭きつつ仮面を外し水で濡れた内側を拭く。
「そうか、なら問題はないネ」
 超はそう言い、今度は資料を渡す。
「・・・・うそぉん」
 いや、動きを見る限り達人クラスだとは思ってたけど・・・・まさか伝説のナギパーティ一人だったとはな。
 こりゃ、俺の全力を出した所であの幻影も消せるかどうか怪しいもんだな。
 なんたって一人一人が化け物らしいからなナギパーティは。
「マジネ。だが、本人が目的はネギ先生だというのは本当だと思うネ」
 確かに、今年やってきたネギ先生にナギから何か渡す物でもあるのか、或いは伝言か何かあるのか・・・・。
 まぁ、どちらにしても問題は無いな。
「だな。では後は予定通りに・・・・」
 超は静かに頷き、マコトは資料を適当な所に置いて暗がりに消える。
 それから数時間が過ぎた下水道。
 ちびせつなの案内で下水道を歩く高畑。
「やれやれこんな所まで来てしまたカ」
 声のした方へ瞬時に振り向く高畑と多少遅れて振り向くマスコット。
 声の主は超 鈴音。
「この先は立ち入り禁止ですよ」
 更に一人と一匹を挟む様に現れる超包子仮面のマコト。
「・・・・どういうことだい?」
「仕事ですよ」
「元担任に対し申し訳ないが、私には時間がないネ。明日学際が終わるまでの間おとなしくしてもらうヨ」
 瞬間、高畑の直下に魔法陣が展開する。
 高畑は宙へと逃れ、敷かれた魔法陣を見ると無数の風の帯が目標を見失い、うねり、消えていった。
あれは戒めの風矢!? トラップか。
高畑は視線を正面に戻した時、目の前に超包子仮面がそこに居た。
しまった! 転移魔法か!!
 例え、虚を突かれようと高畑には培ってきた戦闘の経験がある為、身体が瞬時に対応し、拳を突き出す、当然偽拳だ。この拳を捌いたり、避けたりすれば瞬時に本命の撃蹴を浴びせる事が出来る。
更に偽拳だと覚らせない様それなりのスピードと殺気を籠めたまさに達人の域に達した者の拳だった。
 だが、相手の超包子仮面はそんな拳などには目もくれず、本命の拳を放つ。
「なっ!?」
 両者互いの拳を受け、宙に舞う。ただ高畑だけは本命の足をガードに使い、超包子仮面の拳を防いでいた。
 受身をとり通路に降り立つ高畑の左膝が僅かに軋む。
「くっ」
 無茶苦茶だ。相手の懐に転移魔法で飛び込んで自分の攻撃を強引に押し込んでくる、自分が傷つく事など一切気にしない。まるで狂戦士。
「っ!?」
 瞬間、高畑は首にチクリと何か針の様な物が刺さった感覚を覚えた。
 その直後ありえない光景が眼前に広がり、目を見開く。
 高畑の目の前には注射器の様な物を片手に微笑む超 鈴音姿があった。
 いつ移動したんだ!? いつ刺されたんだ!?
 高畑は超包子仮面と戦闘中も常に超 鈴音を警戒していた、常に自分の居合い拳の射程に彼女を入れ、超包子仮面と対峙していたのだ。
 それが、なんの気配も何も無く、まるで初めから高畑の前に居たかの様に現れたのだった。
「超君、君は一体・・・・」
 そう言い残し、高畑は気を失った。
「いつつ~しかし危なかった、もう少しで汚水に浸かるところだった」
 少し遠くからそう言いつつ超に合流する超胞子仮面。
「あーあ。マコト君、仮面に付けた変声機が壊れたみたいネ」
「え? マコト様?」
 高畑が倒れた事によって慌てふためいていたちびせつなにやっとスイッチが入る。
「いや、そこで名前言っちゃだめだろ」
「マ、マコト様!? どうして超さんと一緒に!?」
 マコトは仮面を取り、優しくちびせつなに微笑む。
「ちびせつな、今お前の力が必要なんだ・・・・しばらく俺の傍に居てくれ」
・・・・。
 ボンッと顔を真っ赤にするちびせつな。
「あ、ああ、あの、そそそそそ、そのそそそ、の」
「よーし、高畑先生運ぶから手伝ってくれ」
「はいっ!!」
 今ここに裏切りの式神が誕生したのだった。
「マコト君は、間違い無く悪ネ」

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