お尻を出した子一等賞。
只今、ネギま書き直し中~♪ ネタバレにご注意を。
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その名はマコト、第弐拾弐章
ご機嫌如何ですか? 徳川マコトです。
現在私は補習という学生にとっては最大の強敵と戦っているわけで。
なぜ休みの日にこんな事をしているかと言うと、私がスラム街に行ってた時に大事なところを授業でやったという事で何とも親切な先生によって強制召喚という訳です。
だが、もう終わりです。お昼です。昼にはマスターのところへ行かないと。
「…………はぁ~、疲れた」
補習が終わり、肩を軽くトントンと叩きながらマスターの下へ足を進める。
「……ん? なんだ?」
マスターの所へ向かっている途中、突然目の前に黒い靄がユックリと姿を現す。
「この靄……多少魔力を感じる」
俺はおもむろにその靄に触れた刹那、世界が真っ白になり、気がつくと大空という海に投げ出されていた。
「うそぉん……」
一体なんで!? どうして俺はパラシュート無しのスカイダイビングを決行してるんだぁぁぁぁあああ!
そうこうしている内に地面が迫ってくる。
落ち着け、こういう時こそ落ち着いて空を蹴って着地の衝撃を和らげ、
「着地!!」
ふぅ~、何とか窮地を脱したな……にしてもあの黒い靄に触れた瞬間、大空の旅がいきなりスタートした。
つまりあれは……ゲート。誰があんな場所にあんな危険な物を……。
「大丈夫かいな~?」
後ろの方で聞き覚えのある京都訛りの声が聞こえて振り向くとそこにはセミロングの髪型がよく似合う女子が……。
「って、木乃香じゃん」
「え?」
俺が彼女の名前を呼ぶと木乃香は明らかな戸惑いを見せる。
「あの、どちら様や? どっかで会うたかな~?」
「へ?」
え? 人違い? なわけない! 俺が木乃香を見間違う訳ないだろ。きっと木乃香が俺をからかっているんだな。
「木乃香、今は冗談言ってる場合じゃないっての、こちとら変な靄に触ったらいきなり大空の旅出て大変だった……」
ふと木乃香の顔を見ると困惑の表情がさっきよりも色濃くでていた。
俺はその表情に不安を覚えた。
「木乃香、もしかして俺がわからない?」
「ごめんな~、全然思い出せへん、名前、なんて言うの?」
「アッ、ハハ、すいません、人違いでした、では」
俺はそれ以上会話を続けられなかった。大切な友人が自分の事を覚えていないのは流石に堪えるな。
なーに、原因はわかる。俺が触れたのはゲート。
つまり俺は同じ世界でも別の世界に飛ばされたとそう考えた方が適切だ。
ここは別の麻帆良、思えば微妙に建物が違う。
「さて、来たのはいいが、帰りは……やはりあの靄を探すしかないだろうな~」
麻帆良中探し回るのかよ、絶望的だな、ふーむ、誰かに協力を頼もうにも誰も俺の事知らないだろうし。
「さて、どうしたものか……」
俺は万策尽き、近くにあった石段に腰を下ろす。
……不思議な生物が俺の目の前を歩いてる。見る限りカエルとネコなのだと思うのだが……断言出来ない。
「ネギちゃん達どこに行ったかみゃあ?」
「こうなったら私の超魔術で」
「モツそんなの使えたのかみゃあ?」
「きっと使えませんよ、いい意味で」
そして二匹は去って行った。
「…………今、喋っていたよね? ネコ(?)とカエル(?)が」
時代は進んだんだね~。
「む?」
目の前にまた黒い靄がゆっくりと姿を現す。
「発見、次は俺を何所に連れていくのかねぇ~このゲートは……しかしまぁ、手掛かりはこれしかないし行くか」
俺はまた黒い靄に触れた。
気がつくとそこは……。
「ふむ、森だな……」
そう、どこかの森だった。時刻は既に夜、街灯などちろん無く、辺りは闇に埋め尽くされて月光だけがその闇を優しく照らしていた。
「それにしてもいい月だ……」
おっと黄昏ている場合じゃないな、とりあえず腹も減ったし、食べる物でも探すか。
俺はサヤを使い、豚の様な牛の様な生物を狩り、何故かポケットに入っていたチャッカマンで火を熾し、丸焼きにした結果、骨付きの漫画とかによく出て来る肉が出来上がった。
「いただきます♪」
ん!? これは!?
「美味い」
とりあえず火をこのままにして、辺りを探って、何かあればいいのだが……。
左手で木に印を付けながら森を移動し、右手で肉を食べる!!
そんな事を繰り返して森を進んで行くと淡い灯が見えてきた。
「誰か居る」
俺は気配を絶ち、近づく。
「一体誰だ……」
木の陰から様子を伺うと……。
「卵をいっぱい持っててよかったな~」
そこに居たのはアスナさん、木乃香、刹那、ネギ、カモ、それと前髪っ娘。
その5人と一匹がそこで楽しく談笑のうえ、ご飯を食べていた。
俺は急激に力が抜け、その場にへたり込む。
「何者だ!」
俺がしゃがんだ瞬間、身体が茂みに触れてしまい、ガサと音がした直後に刹那が目の前に現れ俺に夕凪を向ける。流石だ。
「刹……」
おっとダメだ、悲しいが俺とこの刹那は初対面、まずは俺が敵では無い事を証明せねば。
「ヒッ!? な、なんですか!? ぼ、ぼくを殺すんですか? 命だけは助けてください!!」
俺は尻餅をついたまま、後退りをして怯えている演技をする。
フッ、自分でも笑えてくる程の三文芝居だな。
「なにやってるんですか刹那さん!? 刀をしまってください」
奥からネギが遅れてやってきた。
「しかし、この男、怪しすぎます」
おい! その言葉、結構傷つくぞ。
「よく見てください、麻帆良の制服を着てるじゃないですか」
「あ、も、申しわけない」
今頃気づいたのか?
刹那は夕凪を鞘に納め皆のところへと戻って行った。
「刹那さんはあー見えて悪い人じゃないんです、許してあげてください」
「ちょっと怖かったですが、大丈夫です」
知ってますよ、どこの世界でも刹那は刹那だ。
「皆さん、はじめまして徳川マコトと言います、よろしく」
「あっ、昼間の変な人や~」
木乃香、そのさり気無い言い方……傷つく。
「あっ、昼間はどうもすいませんでした、僕の勘違いで」
刹那が出て来る前に謝っとくのが一番だ。
「んーん、全然気にしてへんよ~」
やっぱ何所の世界でも木乃香はいい奴だよ~。
「マコトさんはどうやって此処に来たのですか?」
ネギ先生が神妙な面持ちで俺に問い掛けてくる。
「いや、いきなり黒い靄が現れて、僕、それにのまれて気づいたら此処に居たんですよ」
「そうですか」
「ところで、此処どこですか?」
「ここは僕が昔遊んでいた、ウエールズの山の中に似ています」
ウエールズの山の中ねぇ~。
「似ているとは?」
「ここは何かが違うんです、と言っても、そう感じるだけですけど……」
ネギは俺から目線を外すと夜空を眺めながらそう告げた。
「……ネギがそう感じるんだったらきっと違うんだろうよ」
「え?」
「あ、すいません、変なこと言っちゃいましたね?」
やべぇ、遂ポロッと素が出てしまった。
殺気!?
瞬間、空から三本の深紅の剣が俺達めがけ降り注ぐ。
「危ない!!」
だがそれは刹那によって叩き落とされた。
そしてそれを投擲した本人が月光に照らされ姿を現す。
って楓じゃねぇーか! 後の二人もネギのクラスメイト。
にしても、メイド服(?)が似合うな楓。普段の忍者コスもいいけど、あれはあれでありだな。うーむ、やはりトップ、アンダーと共に最強だなぁ。
だが、風の噂で聞いた事がある。ネギのクラスに楓を超える超絶な戦闘力(バスト)を持った女子が居ると…………。
「是非、会って見たいものだ」
「パートナー神楽坂 明日菜、近衛 木乃香、宮崎 のどか」
いつの間にか話が進んでいたようだ。恐らく三人の契約執行をするつもりなのだろう。あれ? 刹那はまだ仮契約してないのか……。
「我に示せ、秘められし力を!!」
へ? 何その呪文、俺の聞き間違いか……。だが、ネギがそう言うと名を呼ばれた三人の身体が浮き、胸の辺りにスペルで出来た地球儀が浮かび出し、ネギがそこに手を入れカードの様なものを引き抜くと……三人が変身した。
「嘘っ!?」
「やったぜアニキ、三枚ともレアカードだ!」
陽気なオコジョがそう言った。あれはどう見てもパクティオーカードだよな。
何がレアなんだ!? さっぱりわからん。
そして……。
「てぁあああ!」
「ネギ先生右です!」
「お見事」
「御粗末様でした」
私、徳川マコト、完全に蚊帳外です。
そしてどうやら楓達の後ろに居るあの植物系の妖精が元凶だそうです。
「どうやら今回は俺の出番は無いな……どう見ても妖精達が劣勢だ」
俺がそう思ったやさき、妖精の奥の手が発動し、ネギ、刹那そして偶々近くに居た俺が巻き込まれ、木の牢獄に閉じ込められる。
さらに、俺たちを助けようとした木乃香。アスナ。のどか。が時間切れとかで力を失ってしまい、三人とも木の枝に捕らえられる。
おいおい、アーティファクトが時間制限付き、こりゃ、マジでヤバイな。
「やめろー!!」
ネギが攻撃魔法を放つが、この木の牢獄に張られた結界によって弾き返され、ネギがダメージを受ける。
「ネギ先生!」
刹那がネギを抱き起こすがダメージが大きいな。
さらに妖精は木乃香達をも締め付ける。
「お嬢様!?」
「刹那、いつまで意地張ってるんだ? 今のお前では木乃香を救う事は出来ない、さっさと先生と仮契約しろ」
「貴様!」
刹那は眼光を鋭くし、俺を見据える。
「今は俺が誰かなんて考えるな、少なくともお前達の敵ではない」
「待てよ兄ちゃん、仮に仮契約したとしてもこの強力な結界を何とかしない限りどうしようも無いぜ?」
「結界は俺が何とかしてやるよ」
「何とか出来るんですか?」
「ああ、希望を齎す純白の鳥をこの狭い鳥籠から必ず出してやる! だから速く仮契約しろ!」
俺はいつもの手袋を右手に装備しその手で牢獄に触れる。
「フム、中々硬そうだ……」
「兄ちゃんやっぱ無理なんじゃ」
黙れ、縛って海に沈めるぞ?
「どんな結界でも限界はある、例え魔力を弾き返す結界でも弾き返せる絶対量がある筈、つまり馬鹿みたいな威力の魔法をあてればこの牢獄は梵壊する」
「そんな魔法が使えるのかよ!?」
「安心しろ、威力には自信がある……プラクテビギ・ナル、光の精霊11柱(ウンデキム・スピーリトウス・ルーキス)集い来たりて(コエウンテース)敵を撃て(サギテント・イニミクム)魔法の射手(サギタ・マギカ)光の一矢(ウナルークス)!!」
俺の放った光の一矢は結界の牢獄を容易に破壊し、遥か彼方へ飛んで行った。なんだ、拮抗するかと思ったんだが、意外にショボイ。マスターの障壁と比べるまでも無かったな。
「さぁ、約束通り鳥籠は破壊したぞ、今こそ飛立て刹那!!」
「力が漲る!」
仮契約を済ませ、純白の翼を持った刹那が空を疾走し、全ての悪夢を消し去って行く。
……やっぱいいな~翼、俺も欲しいな~。
「あっ!妖精が逃げる!!」
安心しろ、既にサヤが動いている。
サヤは妖精の前に立ちはだかり、そのまま両断した。すると妖精は何かの石に変わって俺達の下へ落ちてきた。
何かのマジックアイテムか……。
「あの……一体、貴方達は何者なんですか?」
ネギは当然の疑問を問い掛けてくるが、俺は答える気は無い。何故ならその方がカッコイイから。
などと思っていると、ナイスなタイミングで光の靄が現れた。
「コレは!?」
「ただの転移魔法ですよ、ネギ先生」
俺は光の靄に向かい歩きだす。
「あの! ありがとうございました、貴方が居なければ今頃どうなってか……」
刹那の声が後方で響いた。
「まぁ、二人で歩んで行けや、じゃあな!」
俺は光の靄に飛び込んだ。
そして次に俺の目に飛び込んで来たものそれは誰かさんの頭のてっぺんだった。近っ!?
「ハガッ! 痛てぇ~」
「マコトさん?」
「コレはまた凄い登場の仕方ですなマコト殿」
見ると茶々丸と楓が木の上に居た。
「貴様は~いつまで私の上に乗って居るんだ退け!!」
マスターも居ました。良かったー無事に帰って来れたみたいだな。
「マコト、貴様今まで何所に行っていた!」
「いや、説明したいのもやまやまなんですが、きっとマスター信じてくれないと思うし……」
「まぁ、いい、我がペットでありながら主に無断で外泊とは許せんな、調教が必要だな、茶々丸連れて来い!!」
「はい」
茶々丸は俺の襟をムンズと掴むと軽々と持ち上げられ、俺はネコの様に運ばれる。
「ちょ、マスター! 弁明を!! どうか弁明を~!!」
コメント
[C19]
- 2007-03-20 18:53
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[T1]
- 2007-09-30 10:50
- 植物辞典
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更新の方はあまり気になさらずに、御自分のペースでいいと思いますよ。モチロン早いに越したことはないんですけど(笑
(感想?)/アニメの方は見てないので話を知らないのですが、新鮮さがあっていい感じですねぇ~。
次回も頑張ってください!